『鳩ぽっぽ「予備費を使って学校耐震化を推進する!」→四か月前に自分たちが予算をごっそり削ってました」』は事実なのか
http://alfalfalfa.com/archives/391627.html
この記事が話題になっていますが、これが事実なのか検証してみたいと思います。
追記:「学校耐震化予算削減」はスポーツ利権目的の大嘘 - Thsc
上記のブログが、このことについて詳細に検証しています。コメントしましたが、麻生政権下の概算要求はあくまで概算要求に過ぎないということを失念しており、誤ったコメントをしてしまいました。
文部科学省の公立学校施設整備費(学校耐震化)の平成22年度概算要求から予算編成までの経緯について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/1288850.htm
を読むと、自公政権下の平成22年度概算要求では、
市町村等において22年度に計画されている耐震化事業が約5千棟あったことから、概算要求基準(7月1日閣議了解)における「経済危機対応等特別措置」(各省ごとの要望枠)を最大限活用して、2,775億円を要求
とあります。それが、民主党政権になって、概算要求(10月15日提出)では、耐震化棟数は約2,100棟、1,086億円の要求ということで、自民政権下の概算要求よりは減ったということは事実だと分かります。読売の記事にあるように、高校無償化のため削減されたかどうかは分かりませんが、
「マニフェスト工程表に掲げられた主要事項を実現するため、各府省は、それらを除き平成21年度当初予算よりも減額した要求を行う」とする厳しい要求方針が示される
とあり、その結果、耐震性の低い施設の耐震化を優先的に行うこととし、当面進めるべき耐震化事業と、その所要額を計上したら、1,086億円になったということです。
さて、読売の記事に
今年度(21年度)は約3800億円が投じられた。
と書いてありますが、文部科学省のページでは21年度の予算は1,051億円とあります。この辺の事実関係はちょっと調べても分からなかったので、ひとまず置いておきます。
これを除いて、読売の記事が全て事実かというとそうではなくて、
政府予算案では約1032億円に圧縮された
とありますが、文部科学省のページを読めば分かるように、予算案では概算要求より、耐震化予算と棟数は増えています。
まとめると、21年度の予算より耐震化予算は増えてはいるが、麻生自公政権下の概算要求より減ったというのは事実で、政府予算案は概算要求より額が圧縮されたというのは間違いだということが分かります。あと、表題にある4ヶ月前に削っていたというのも間違いですね。