輪るピングドラム 1話感想

最後のシーンを除けば、休日の朝にやっていてもおかしくないような話&女児向けアニメ的なギミックで構成されていて、シンプルといえばシンプルな内容。なので、色々と深読みできる要素はありますが、話については1話の段階では特に語ることがないというか、語りようがありません。

演出については、アニメにしか出来ないことを追究しようとしている感じで、遊園地的な楽しさ、華やかさがあり、飽きさせない作りとなっています。また、話の展開、流れが唐突な部分はあるものの、それをあまり気にさせず、視聴者を引き込む形に持っていくパワーのある演出になっていると思います。

ただ、ウテナを知らなかったり、アニメを見慣れていないような方、普通に物語を楽しみたいような方には、ある種この過剰な装飾は却って物語に入り込むのを阻害している面があるのではないかとも思います。特に回想の時に入る、電車の電子掲示板風の案内は、物語世界外の異質なもので、スタッフの存在を意識してしまい、冷めさせてしまうことも考えられます。

声優については、冠葉役の木村昴君が、感情が高ぶるシーンでジャイアンになってしまっていること以外は文句はありません。他のシーンでは全く気にならないので、もう少し頑張れば、頑張れさせればなんとかなるんじゃないかと思うのですが。

今後の展開について、3人、あるいは2人を中心とした内面的問題が主軸になり、その心の革命が描かれていくのかという予感もあるのですが、それではウテナとあまり変わらないので、それとは全く違う新しい幾原ワールドを見せて欲しいなと思います。