農水大臣・副大臣会見から見る、鳩山政権の「口蹄疫」感染対策

農水省発表、口蹄疫に関する情報はこちら

5月5日追記:4月30日の赤松農水大臣会見を追加

口蹄疫が発生をいたしまして、正式に申し上げますと、4月19日月曜日、宮崎県が当該農場の牛の口蹄疫感染の可能性を否定できなかったことから、私ども、当省の担当課に連絡がございました。動物衛生研究所に検体を持ち込み、これは、昨日、19日の24時頃、夜中の12時頃でございますけれども、PCR検査を実施をしたと。今日、PCR検査、4、5時間かかるものですから、私のところは、夜中にFAXが入ってきましたが、PCR検査の結果、陽性を確認をしたということでございます。その結果、PCRの結果、3頭中3頭で陽性を確認したということでございます。それで、直ちに、農林水産省といたしまして、私、今朝、指示をいたしまして、口蹄疫防疫対策本部を設置をするようにと、そして、ただちに第1回会議をやるということで、閣議後に、その第1回会議をやらせていただいたところでございます。

皆さん方にお願いを申し上げたいのは、大変、感染力の強い病気でございますので、韓国の例を見るまでもなくですね、非常に、誰か立ち寄ると、足の、靴の裏から、そのあれが蔓延するとか、いろいろあるものですから、極力、情報等については、本省から、あるいは、当該県の宮崎県から流しますけれども、直接、本当は、そこへカメラを持ち込んでとかいうことも、お気持ちは分かりますが、是非、それは、厳に慎んでいただきたい。蔓延を引き起こす恐れもあるものですから、そういうご協力を、報道関係の皆さんにはお願いをしたいと思っております。

それから、あと、もう一つは、風評被害みたいにですね、「ああ、牛が危ないぞ」、「豚が危ないぞ」みたいな、牛や豚は食えないみたいなことになると、また大変なことになりますので、今、10キロ(メートル)以内、20キロ(メートル)以内ということで、制限を付けまして、10キロ(メートル)以内は移動制限、それから、あと20キロ(メートル)以内は搬出制限区域ということの、そういう区切りをいたしまして、少なくとも、10キロ(メートル)以内については、殺処分、当然、この十何頭、16頭だったかな、いるわけですけれども、全て殺処分にしますが、殺処分完了後、21日間は、そういう、移動制限、通行制限ということで、厳しく、当該農場を中心とした半径10キロ(メートル)以内の区域を、そういう扱い、制限をかけますので、その点については、これ以上、拡がることのないように、万全の措置を執りたいと、このように思っております。

あと、感染源とか、感染経路の究明等については、本日中に、そういう専門家による委員会を開催をいたしまして、その中で、これらの問題についても、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。これについては、とりあえず、そういう報告です。

記者

口蹄疫についてですけれども、(本日の衆議院)農水委員会の方でも、いろいろと支援策について、いろいろと質問が出てましたが、消毒液が今足りないというようなお話が出てましたけれども、緊急に、どのような対策を、農水省としては考えていらっしゃるのでしょうか。

副大臣

消石灰が足りないのではないかということなのですが、今、調べさせてみたところ、何とか、そんな足りないという状況ではなさそうな気がしているのですが。何か、ビルコンSとかという、いわゆる液体の、薄めて使う、養豚農家、よく使っているらしいのですが、それが、ちょっと使いやすいので、成分は消石灰みたいですから、それが欲しいというお話のようですね。それもあるのだったら、すぐに手配したいと、そう思っておるところで、何とか、まずは、全面的に消毒を徹底してやってと。

ただ、潜伏期間が7日間と言われておりますが、もうすぐ、皆さんにプレスリリースするかと思いますが、4例目の、どうやら疑似患畜が確認されました。やはり、同じ地域なので、すぐ近くなんですが、何とか、これは、繁殖肥育農家で、65頭ぐらい飼っているのかな、ちょっと、まあ、殺処分という形になるかと思います。今週、潜伏期間が1週間なので、移動制限してから1週間経たないと、ぽつぽつと、こういうのが出てくる可能性は、まだあるのではないかと。

しかし、いずれ、この10キロ(メートル)の範囲内でのことなので、ここで完全にしっかりと消毒をやれば、十分封じ込めることはできるのだと、そう確信しております。

記者

非常に感染力が強いということで、宮崎だけでなくて、全国的にも心配していらっしゃるところもあるみたいで、そういう、消石灰だとかの買い占めみたいなものがあって、なかなか宮崎に入ってこなくなってしまっているみたいなお話も、宮崎の議員さんがされていましたけれども、それについて、何か農水省、国としての要請を出したり、指示を出したりとか、そういったことの予定とか、検討はされているのですか。

副大臣

そういうことがあるのかということですが、私どもの方で、もしなかったら手当てするようにと思ってますが、今のところ、そのおそれはないように聞いておりますが、何とか、足りているのではないでしょうか。ビルコンSでも、もし、あったら、どんどん宮崎に集中的に送るようにという形で、防疫員の体制も、各県から、今、いつでも応援に行けるような体制は取れておりますので、要請あり次第、応援に入らせたいと思ってます。

なかなか、あんまり、いろいろな人が入ったり、我々も、ちょっと、心配なので行きたいなという気持ちもあるのですけれども、やっぱり、行っても中には入れませんし、なかなか、いろいろ難しい事情もあるようなので、この潜伏期間が過ぎるのを待って、それから、いろいろな対応策を、今も既に準備はしておりますが、どんどん打っていきたいと思っているところです。

記者

宮崎で足りないということはないというふうに見てよろしいわけですね、消石灰のビルコンSは。

副大臣

そう思ってますが、もし、実際、足らないようなことがあれば、手配して、どこからでも持って行くようにという話はしております。

ご心配をいただいている宮崎県での口蹄疫に関連して、今日も、11時に、東国原知事が、「是非、お願いにあがりたい」ということを言っておられますので、地元の県議会の議長さんだとか、それから、関係の、(宮崎)選出の国会議員の方も一緒にお見えになるというふうに聞いてますけれども、県議会での決議等もあるようでございますから、そういうことも含めて、知事からの要請を受けたいと思っております。
それに関連をいたしまして、矢継ぎ早に、いろいろな対策を打ち出しておりますけれども、さらに、家畜共済の対応について、追加して決めさせていただきました。これは、どういうことかと言うと、家畜市場が閉鎖をされているために、家畜の出荷による収入が入ってこないということで、農業者の間に、「家畜共済に継続して加入するための共済掛金が工面できない」と、「何とかならないでしょうか」というような声が多いという報告がございましたので、農業者に不利益とならないよう、家畜共済に継続して加入する場合における共済掛金の支払猶予期間を、「家畜市場の閉鎖が解除されてから60日まで」に延長することを、各農業共済組合の規程に盛り込むと。農業共済組合等の指導権限は各県にあるものですから、各県にもお願いをしながら、そういう規程を盛り込んで欲しいということで、解除されてから60日まで延長すれば、その辺のところは、かなり余裕が出るのではないかということが一つ。

それから、二つ目は、共済掛金を分割して納めている農業者については、共済掛金の支払いが遅れても、共済組合等は、共済金の支払いを行うようにするということにもいたしました。これは、農業災害補償法第99条第1項第5号に、正当な理由に当たるものとしては、こういう扱いができるというふうに書いてありますので、これは、「正当な理由」に当たるという判断の基に、こういうことを措置をいたしました。以上、一、二について、これは、宮崎県だけではなくて、九州の各県に対しても、本日、通知を発出をするということにいたしました。

それから、あと、私が本部長を務めます口蹄疫の対策本部の下に、疫学調査チームというのを置いておりますけれども、これを4月29日に現地に派遣をしたいと思っております。このチームは、何をするかと言いますと、現地調査を実施するとともに、検討会も開催して、発生状況の把握、分析、それから感染原因の調査等を行うということにいたしております。

当然、マスコミの皆さんで関心のある方たちは、同行したいという方もお見えになると思いますけれども、この口蹄疫は、非常に感染力が強いということもございますので、蔓延(まんえん)を引き起こすおそれもありますので、事務方の方から、取材機会についてご案内いたしますので、そういう形での取材を、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。私の方からは以上でございます。どうぞ。

4月20日以降、これまで宮崎県の農場において、12例の口蹄疫の発生が確認されておりますが、現在、感染の拡大を防止するための移動制限や、迅速な殺処分等の防疫措置を実施をしてきております。昨日も、山田副大臣を宮崎県に派遣をいたしまして、東国原知事と、現場の課題や、あるいは、更に宮崎県として、どういうことを要望したいのかというようなことについて、承ってまいりました。この結果を、今後の防疫措置や経営支援対策に活かしていきたいというふうに思っております。

あとは、それから、防疫措置につきましては、28日の口蹄疫防疫対策本部の決定に基づいて、これは、既にご報告しましたけれども、一つは、宮崎県の隣接県全域における全額国庫負担による消毒の散布、すなわち、ちょうど、この前、申し上げましたように、宮崎県の中なんですけれども、県境に近いところで発生したものですから、こうやって円を描くと、鹿児島、熊本も入ってしまうということで、念には念を入れて、この上の大分まで含めて、南九州四県を、全て消毒散布をするということにしております。あとは、発生農場における殺処分等の防疫措置、そして関連農場の清浄性調査の更なる迅速化を行っていきたいと思っております。

それから、人の問題でございますけれども、これは、既に報告してありますが、九州農政局の幹部、部長を、現地の責任者として、今、常駐をさせ、獣医師等の派遣については、53名、うち農水省、国の関係からは25名を配置をし、今、取り組んでいるところですけれども、引き続いて、感染の防止に全力を、万全を期していきたい。まあ、宮崎県のそういう関係者、そして農協等のご協力もいただいて、今やってますが、知事からは、副大臣経由で聞いておりますのは、まだまだ人が足りないということを聞いてますので、各都道府県の、そういう獣医さん等、出していただけるところは、更に派遣をしていただけるように、それも併せて、かなりの県が、今、出していただいてますけれども、更に出せるところは出していただけるように要請もしていきたいと、こんなことを思っております。

それで、あと、それを踏まえまして、具体的な話ですが、今、佐々木報道官が(パネルを)持ってますけれども、一つには、先般、23日に公表した対策のうち、肉用子牛生産者補給金制度や、肉用牛肥育経営安定特別対策事業、いわゆる新マルキンにおける飼養開始年齢や、登録月齢の要件緩和について、今まで、対象区域を、移動搬出制限区域内ということで、円の中だけでしたけれども、それを拡げまして、宮崎県は全域、それから隣接県、鹿児島、熊本、大分まで拡大することといたしたいということでございます。これは、どういうことかと言うと、と殺はできても、市場が開かれないというところが多いものですから、そうすると、別に問題はなくても、市場そのものが開かれないと、要は、金にならないと、仕事にならないというところが、この周辺地域に多いものですから、そういう意味で、範囲を宮崎県全域と、隣接県、鹿児島、熊本、大分まで拡大したいということが一つ。

それから、もう一つは、ずうっと牛ばかりだったのですが、1か所ですが、そういう形で、豚も出たということで、養豚経営安定対策事業の生産者積立金についても、積立金を免除するということも決めさせていただきました。それから、出荷できない肉用子牛と、それから、農協等が、離農して、空いている土地を利用して、そこで、出荷できない肉用子牛を肥育するということもやってみたいというようなお話もあるものですから、そういうことを、もし、していただいた場合は、それに対する補助もできるように、新たに講じたいということでございます。追加施策ということで、23日の分に加えて、今回、こういう対策をやり、口蹄疫の蔓延(まんえん)防止に全力を期したい。そして、今回の対策の実施状況や、現場の実態を注視して、畜産農家の皆様が、心配されることのないよう、真に必要な対策というのを、しっかり講じてまいりたいと、このように思っております。

決して、安心も油断もしてませんけれども、何回も言うように、やるべきことは全てやり切ると、しかも、それは早めにやるということで、今、やっていて、だいたい他の地域も、全域で、九州全域に人を配置しているものですから、ちょっとでも何かあったら、全部出せと、みんな検体検査だ、ということでやってまして、いっぱい、それは来ているのですけれども、ほとんど、そういうところは「シロ」ということで、今、出てます。

残念ながら、具体的に「クロ」となったのは、ほぼ、(資料を指して)ここに集中をしているということで、ここだけ、一つ飛んでいますが、これは系列のちょっとあれがあって、そういう、断定は、私はアマチュアですからできませんけれども、ほぼ、例外的にそういうことはありましたけれども、12分の11というのは、ほぼ、ここに集中して起こってますので、そういう意味で言えば、いろいろな、今まで薬剤の散布だとか、消毒薬の散布だとか、いろいろなことが、多少なりとも活きているのかな、先日の専門家会議、大学の教授だとか、ああいう人たちの会議の中でも、今のやり方は、基本的には間違っていないと、ほぼ、1か所に、今、抑え込めていると。だから、これがまた、一遍に飛び火して何かなれば、これは別の対策をということになるが、今のところは、そういう形で推移しているので、今のやり方を集中してやっていった方がいいのではないかというのが、専門家の先生方のご意見だとも聞いてますので、何度も言うように、決して安心もしてませんし、手を緩めるなんていう気持ちは全くありませんけれども、徹底してやり切っていくということに徹していきたいというふうに思っております。