会見ウォッチ 1月19日 亀井静香金融担当大臣 政治資金規正法について

問)

小沢(民主党)幹事長周辺の政治資金規正法違反事件について伺いますけれども、一部報道で、「(捜査当局の)事情聴取に応じる意向だ」と報じられていますが、国会でも、小沢さんについて、参考人招致など説明が必要ではないかというふうにはお考えになりませんでしょうか。

答)

これについては、現在、捜査が進行している最中ですから、私は、やはり捜査機関の捜査を待つというのが基本的なあり方だろうと思います。小沢さん自身が、全面対決、潔白だということで対決しておられるわけですから、当然、事情聴取等には応じられるのではないですか。これは、あくまで推測ですけれども。

国会としてどう対応するかということを言われるけれども、いつもこういうときにそういう問題がよく提起されるのだけれども、一方で、捜査機関が捜査を進めていっている場合、国会としてそれに対して、やはり対応できる範囲というのは非常に限られると思います。事実関係が確定していかないでしょう。事実関係が確定しないのに、中身の詳細を分かっていない国会議員が、それについて、探偵ごっこではないけれども、そんなまねをしたってしようがないので。

そんなことよりも、私は(原口)総務大臣にも言っているのですけれども、私自身も30年以上、ずっと国会議員の仕事をやっていますが、その間、いろいろな「政治とカネ」の問題が起きる度に政治資金規正法が改正されていくのですけれども、こんなことを言っては…、もうつぎはぎだらけですね。木造にプレハブを継ぎ足して、今度はコンクリートを継ぎ足してみたり、そういうことを重ねて現在の政治資金規正法が存在しているので、私は、今の政治資金規正法というのは抜本的に改正していくべきだと思います。そうしたつぎはぎだらけの、極めてテクニカルな、本当にテクニカルな法律ですね。そういうもので、この政治資金規正法は、あえて犯罪人をつくっているみたいな面がありますよ。(改正政治資金規正法が)今年から実施されるでしょう。政治家が活動費に使った場合、1円まで領収書を取らなければいけないわけですよ。そんなことが、実際、可能なのですか。皆さん方だって、上司に取材費を請求するときに、1円まで正確な領収書を添えてなんていうことができますか。私は、そういう、できもしないことを政治家に要求して、そのために膨大な事務量を要求する、調査のための秘書を大勢抱えざるを得ないという、では、その費用をどうするのかという問題も出てくるわけでしょう。

皆さん方に、この点を考えてもらいたい。国会議員は、本来、やはり有権者から、10万(人)なり、あるいはそれ以上の方々から、政治を託せるということで、全人格を含めて、政策、人格を含めて選ばれてしまっているのです。そうした者に対して、泥棒を扱うみたいな形で手足を縛りまくって、それで「国民のための政治を思う存分やってください」ということが、本当にあるべき姿なのかどうか。私は、皆さん方も、これはよく考えてもらいたい。「厳しくすれば良い」と言うのですけれども、「政治とカネ」の問題というのは、要は、きれいなお金を集めて、それをきれいに使うということなのです。そこから離れて、テクニカルな規制、厳しい規制にだけ走っていってしまっているのです。結局は、それで「あ、違反だ、違反だ」というようなことで犯罪人をつくっていくという面がありますよね。

それと、政治資金規正法は、あくまでも形式犯なのですよね。だから、政治資金規正法の立法趣旨とは何なのか、ということを、やはりきちんと考えなければいけませんよね。これは、やはり政治資金の透明化ということが一つですけれども、しかし、今の法律は、政治資金を出した人ではない人が、他人が出した政治献金について、その使途について1円までの領収書の開示を要求するなどということをやっているでしょう。こういうことが、本当に当たり前なのかどうかというようなことを、私は、ぜひ皆さん方に、これは、あえてよく検討してもらいたい。皆さん方、政治家を縛れば気持ちが良いということなのかもしれないけれども、皆さん方の取材費だってそうでしょう。取材費の使い方にしたって、会社からがんじがらめに縛られて、あなたたちが良い仕事ができるかどうか、考えてみれば分かります。

問)

さっきの政治資金の話なのですが、亀井さんは、今回の問題はテクニカルで、形式犯的な問題だと現時点ではお考えなのでしょうか。

答)

また、あなたは…。いつもあなたは、そんな判で押したような、何か決めつけたような言い方を。私は、何もそんなことは言っていないです。そんなことをいつ言いましたか。

問)

いや、テクニカル、形式犯…。

答)

テクニカルということは、そうではないですか。違いますか。テクニカルな法律ですよ。これは違いますか。

問)

4億円の不記載とか、こういう数億円の不記載があるのは、テクニカルな問題なのでしょうか。

答)

私が言っているのは、「法律がテクニカルだ」ということを言っているのですよ。この事案がテクニカルだと言いましたか。

問)

そういうふうに聞き取れると思います。

答)

あなたの耳がおかしいのですよ(笑)。みんな聞いていましたか。私は、そんなことを言いましたか。

問)

では、今回の問題はどのようにお考えなのでしょうか。

答)

今回は、捜査機関が捜査しているわけでしょう。我々としては、捜査機関がやっている捜査をきちんと見守れば良いことであって、あなた、そんな予断をもって、人に対して質問したりするようなことをやって、ジャーナリストとして、自分のそういう取材の姿勢にあなたは満足できますか。

問)

予断をもっていないですよ。ちゃんと…。

答)

予断ですよ。さっきから言っていることは予断ではないですか。

問)

今回の問題が起きて、幹事社がちゃんと「では、どういう問題点があるか」という質問をして、「それは政治資金規正法上の問題がある」と…。

答)

だから、それについて言っているでしょう。「政治資金規正法については、テクニカルな法律なのだ」ということを言っている話でしょう。

問)

でも、今回の件については、テクニカルではないのであれば…。

答)

「今回のことがテクニカルなことだ」などということは、私は一つも言っていないですよ。

問)

そうしたら、その法律上の問題を、あえてご回答されて結びつけると、誤解を招くではないですか。

答)

あなたが勝手に誤解するだけですよ。

問)

いや、それは大臣として責任ある立場の方で、幹事社がきちんと質問して聞いていることに、「政治資金規正法上は、今、テクニカルな問題が多い」と言えば、当然、我々も結びつけて報道しますよ。

答)

結びつけるのは、あなたたちが悪いのですよ。私は、そんな結びつけた答弁をしていないですから。

問)

では、きちんと聞きますけれども、「今回の問題は捜査中で答えにくい」とおっしゃいますが…。

答)

「答えにくい」というか、捜査中で、私は詳細を知り得る立場にないということを、当たり前のことを言っているのです。私も、かつて捜査二課長を長くやって、こういう類の事件、こんな事件というのは、反吐が出るほどやりましたよ。はっきり言っておきますが、(私は)素人ではありません。