文化系トークラジオLife「Life政策審議会」文字起こし ベーシックインカムを巡る議論 Part.2

出演:charlie(鈴木謙介)、斎藤哲也津田大介
ゲスト:飯田泰之(経済学者)、樋口明彦社会学者)

http://www.tbsradio.jp/life/2009/08/2009816lifepart3.html
今月16日深夜にTBSラジオで放送されたLifeの一部文字起こしの第2回。

今回は反対派の樋口明彦さんの話を掲載します。


鈴木:それはそうなんですが一方で、ベーシックインカムには直感的にだけではなくて、それはどうなんだろうという学者の意見も多いわけですが、樋口さんはどうですか?



樋口:僕ははっきり言いにくいんですが、基本的にあまり賛成じゃないんです。
何故かと言うと、一つには先ほど飯田さんが「生き方を国や社会が決めるのはおかしい」と仰っていましたけど、僕はそこは逆だと思うんです。


社会というのは、ある共通した生きるべきあり方というのを強引に誰かが決めるわけじ   ゃなくて皆で合意すべきなんじゃないかと。これは極端ですが、例えば「引きこもり」と言ったときに、場合によっては個人の性格だとか生き方の問題だという言い方がされますが、それでもOK!とするんじゃなくて、僕は多くの人間というのは基本的に社会生活、社会との付き合いを持つべきだと思うんです。


ただ、それを拒否する事は出来ると思う。消極的自由みたいな話で、来たものを拒否できるという権利は権利として求めるんだけども、社会としては「人は社会活動を持つべき」という風に合意すべきだと思うんです。


だから、ベーシックインカムというのはそこを全然無視しちゃっている。無条件はいいところでもあるんですが、でもそうしちゃうと実際問題、本当に貧しい人とか不慮を被っている人というのはお金だけ貰っても、お金だけがあるというジリ貧な生活になるんじゃないかなと。