小沢一郎民主党代表の公設第1秘書逮捕についての情報まとめ

http://www.asahi.com/national/update/0303/TKY200903030171.html

陰謀・国策なんてことを言うなんて見苦しい!とか、悪い事して逮捕されたんだから時期なんか関係ないだろ!というようなコメントがあちこちで散見されますが、宮崎哲弥氏によると、確かにこれは今までの常識から外れた事態であるようです。

昨日のTBSラジオ「アクセス」での宮崎哲弥武田一顕記者、経済ジャーナリストの須田慎一郎のコメントを掲載します。

宮崎:担当しているのが、東京地検特捜部の特殊直告一班というところなんですけど、私達の間で直告一と呼ばれている、いわば精鋭部隊です。特捜自体が精鋭部隊ですが、精鋭中の精鋭と言われている部署がこの事件を担当しています。
ただし、そういう所がやるにしては、今までの検察の常識から考えると極めて異例。一つには、政治状況が非常に際どくなっていて、4、5月にはもしかしたら解散総選挙が行われるかもしれない、なおかつ民主党が勢いを得てきている状況下でこういう事案を立件するというのは、普通だったらやらないことなんです。しかも、国会会期中でもあります。
実は私は、他の案件、主に名古屋方面のマルチ関係の案件で、民主党関係の中で、ひょっとすると何らかの手が入る場合というのがあるのかもしれないと、これは名古屋地検の案件としてやられるんですが、それが想定の範囲にあったんですけど、まさかいきなり第一野党の代表の足元にくるというのは非常に異例な事で、これはこれだけで済むというような話ではないという気がします。

まだ捜査の全貌が分かっていないので、決定的な評価は出来ませんけれども、極めて異例のものであるということは強調しておかなければならない。これに事寄せて、ある種の謀略・国策捜査であるというようなことを語る人がいてもおかしくないような異例の強制捜査・逮捕だったことは付言しておきたいと思います。

須田:非常に意外感をもって迎えています、というのも私もこの事件をずっとウォッチをしていたんですけれども、なかなかこれは立件が難しいだろうと。東京地検特捜部はもちろん、この西松建設の裏金問題と政界との関与を狙って捜査を開始したんですが、今回ばかりは特捜部は捜査を誤ったかなぁという風に見てたのが我々事件記者達だったんです。そういった意味で今回の逮捕は、ここまでやったかと、これはかなりリスクを冒して立件に動いているという感じがします。

形式の上では整っているわけなんですよ、政治団体から政治資金団体献金が行われているわけですから、要するにその部分では違法性はないんです。それから、受け取った側が、それが西松建設の裏金の部会献金だったという認識があったかなったか、その心象風景といった胸の内をどうこれから立証していくのかというところが、特捜部の腕の見せ所ではあるんですが、なかなか難しそうです。


宮崎:今の特捜の体制、今の特捜部長は佐久間さんで、この方の今までのパーソナリティーから考えて、この案件を、何故この時期に?というのがあるんですが、一体検察のどこの意思がこれを良しとしたのかがよく分からないんですが、そちらでは何かありますか?


須田:ポイントは2つあって、ここ近年、本来だったら政界に切り込んでいくというのが特捜の使命なんですが、政界案件がほとんど手がつかない状況にあった。面子丸つぶれというのが今までの特捜部だったわけです。そういった意味で言うと、一つは特捜部の名誉回復というかここまでやったということを示した。

ポイントの2つ目は、これをやるかやらないかというのは恐らく東京地検あるいは東京地検特捜部マターで決まったのではないのではと思うんです。これはやっぱり、幹部会を開きまして、そこでGoサインが出るかどうかということなんですが、むしろ法務・検察の上層部から何らかの意図が働いたんじゃないかなと考えるのが自然だと思います。

武田:自民党の中からも、ちょっと麻生さんやりすぎなんじゃないかと、つまり東京地検特捜部というのは役所の一部ですから、役所が動く時というのは役人の上の方の意向で動くわけですね。ですから、そういう所の意図で動いたと取られるんじゃないかと、つまり東京地検特捜部は正義の味方だという今までの考え方を疑ってみる必要があるということが野党だけではなく与党からも出ている。


宮崎:この段階で色々な事を言っても憶測に過ぎない。それを踏まえて一つ予測しておくと、現段階でこのような挙に出たということは、バランスを取る何かがあると見ている。それが唯一、特捜の不文律を守るための宝刀だろうと。

また目新しい情報があったら追加していきたいと思います。