2007年 アニメBEST10

1位「電脳コイル

まぁ、やっぱりという感じですが、電脳世界と現実世界というのを単純に二元化せず、どちらも対等になっている世界観が魅力であり、その中で揺り動く人の心の繋がりや成長の痛みをしっかり描いたという点で何より良かったので1位です。キャラクターも表情豊かで活き活きしており、毎回見た後に充実した満足感が得られる作品は滅多に出会えません。

2位「精霊の守り人

人物描写がとても丁寧で、骨太なファンタジー作品。全体的にクオリティが高く、無駄が無いような作りで、ここまでしっかりした小細工なしの物語をTVアニメで見たのは久しぶり。キャスティングもよく、とにかくバルサ役の安藤 麻吹さんの演技は凄まじく鳥肌が立つぐらいでありました。是非続編を制作していただきたい1本です。

3位「モノノ怪

隅々まで目を奪われるような美術が特徴的で、その美術を舞台装置として使った演出も良く劇芝居調な話のすすめ方も◎。東映には動画枚数制限がありますが、それを逆手にとって静と動の使い分けをしっかりしていて、薬売りとモノノ怪の戦いが際立つものとなっていました。ストーリーは前半は良かったんですが、後半になってちょっと普通な感じになってしまったのが心残りですが、東映が大人向けの作品に本格的に乗り出して、新たにアニメーションの可能性を模索していこうとする動きをみせたことは大きいと思います。

4位「Darker than BLACK -黒の契約者-

契約者だとかの設定云々はある意味おまけみたいなもんで、ほろりとするようなビターな短編劇がメイン。前・後編と分けたのも良くて、急ぎ足になったり、無理に収めたりということがほとんどなく、安心してドラマを楽しむが出来ました。

5位「大江戸ロケット

グレンラガン妖奇士を足して3ぐらいで割ったような作品。まじめなところとギャグ部分のギャップが少し大きくてどっちかにして欲しいと思う部分もありましたが、良く出来たドタバタ不条理人情劇でした。個性的なキャラをもれなく作品に生かせていて、昭和的においがしたりする作品でした。

6位「天元突破グレンラガン

文化庁メディア芸術祭の評を要約すると、クオリティがだけが高いと言っているように思えるんですが、とにもかくにも作画アニメ。ここまでのクオリティを貫いたのはやはり凄い事なんですが、個人的にはいまいち好きになれませんでした。

7位「妖奇士

結構気に入ってたのですが、途中から場を壊すギャグを入れてきたりして、結局テーマを昇華しきれず中途半端なところで終わってしまい、やりたいことがやりきれないまま終了してしまった感じがあります。見切り発車してしまった印象が拭えない。

8位「スカルマン

もう少し視聴者に謎解きを楽しませるような作りにして欲しかったところもありますが、クオリティもよく、終盤の展開や009に繋がるような終わり方はなかなか興奮させられました。

9位「おおきく振りかぶって

野球に詳しくなくてもある程度楽しめるような作りで、技術だけではなく頭脳も大事だということがよく分かる作品。特にキャッチャーってこんな役割があったんだと合点。BL色が強いところや、なぜか西浦高校が才能のある人ばかりなところが、ちょっと都合が良かったり綺麗過ぎると思う事もあり減点。

10位「地球へ…

内容が今の時代にマッチしていると思ったんですが、結局キャラ同士のあれこれがメインで、いまいち伝わるものが無かったのが残念。脚本はまずまずにしても演出が悪く、駆け足で間や溜めというものがほとんどなく平坦に話が進んでいき感情移入もしにくかった。なんでもっといいスタッフに作らせなかったのか疑問。