「日本に民主主義は無かった」 宮台真司・福山哲郎共著 11月30日発売予定

先月のマル激5金生放送中に告知がありました。民主党福山哲郎氏との共著だそうです。まだどこにも公式の情報は出ていないので、番組中で語られた宮台さんによる内容に関する発言を掲載いたします。

ゲームのルールが変わった。ただ、民主主義になったことがこの国にいいことをもたらすとは簡単には言えなくて、近代国家というのをバスに例えると、運転手がいて、乗客がいる。その間で契約をしていて、その契約が憲法に当たり、それに従って運転手が運転しているわけです。

近代国家の本義は、乗客が運転手に絶えず次の目的地を告げたり、道路状況によって「ここはそういう運転をするべきじゃない」と文句を言い続けるというところにあるわけなんですが、日本はそれをやってこなかったんです。簡単に言えば、経済的に豊かになることが善いことだという自明性のもとで細かい事は言わず、国家にお任せでやってきた。

ところが、そうはいかなくなった。その理由は、バスが違うところを走り始めたからですね。グローバリゼーションということで、絶えず運転手に注文をしなければいけない状況になったんですが、運転手もそれに慣れていないし、乗客も慣れていない。まぁ、運転手は早晩慣れると思うんですが、今まで運転手に文句をつけて、適正にバスを運転させるということについての訓練をしていない国民の側が実は学ぶのに時間がかかるわけです。

時間がかかることにイライラしますから、本当は自分の欠点であるのに、「民主党がいけない!」という風に、人のせいにして頬っ被りを始めかねず、その意味で言うと、民主主義というのは、民度に従ってバスの進む方向が変わっていくので、非常に問題含みなんです。どこの国でも民主主義は簡単に回ってきていなくて、イギリスだって回るようになるまで200年弱ぐらいはかかってきているわけで、出来るだけそれを短縮して、つつがなく運転手に絶えず情報を与えながら、運転をサポートしていくということが出来ればいいんですけどね。

宮台さんの例えなんですが、バスというよりタクシーの方が適切なんじゃないかと思います。