アニメギガ ゲスト:河森正治 まとめ

  • ロボットに拘る理由

大学では機械工学を専攻しており、本物のロボットを作りたかった。
アニメはいくらでも嘘をつけるが、おもちゃにした時にちゃんと変形しないとまずい。実際製品化されることを前提にコストとか機能を考えたりして本物のロボットを作る感覚に近い。ギミックのあるものを作りたかった。

人がやってないことをやりたい性分で、全メディア初のものを作りたかった。ガンダムではいくつかアイデアを出して使ってもらっていたが、ガンダムで成功した手法を封印して差別化をした。一度やった事は二度とやらない。

ベトナム戦争の報道をしている裏ではアイドルが歌っている。それを抵抗無く享受している現実を凝縮してアニメにしたらどう見えるかをやりたかった。

ヒロインは性格が良くてかわいくなくてはいけないということはなく、嫌われるヒロインがあってもいいんじゃないかという話を良くしていた。予定調和なものは好きではなく、先の読めないものを作りたい。

  • 自宅の庭を紹介

自宅で自然農をやっている。日本人は畑を耕す事=仕事というイメージがあるが、耕したから大地は駄目になったんだという発想で始めた。外虫や雑草も役割を持っていて、それで生態系として成り立っている。植物が成長する過程は変形と似ていて、雑草や他の作物同士の相互作用は合体ともいえる。手をかけなくてはいけないという発想はどこかおかしいんじゃないかという思いがある。

  • イートハーブ幻想 KENjIの春について

渡邊隆史:当時アニメ雑誌の編集長をやっていたが、ちゃんと扱わなくてごめなさい。
このような作品が世の中にあるということを多くの人に知らせたい。
そのためにここにいるようなもの。もっとスポットライトが当たって欲しい。

マクロスが終わったあと、中国に一人旅。奥地の村に行くほど子供の目が輝いている事に衝撃を受けた。日本に帰ってきて、日本はなんでこんなにも鈍っているんだろうと感じた。

マクロスの後監督を10年ぐらいやっておらず、その時は企画して監督しかけた作品もあったが、これを見た子供の目が駄目になるのではないかという思いがあり、やりきれなかった。その後マクロスプラスで監督業復帰。その作業が終わった頃、田代敦巳さんに誘われてやることになった。

速読を習って宮沢賢治の資料館を回ったりして、賢治の本を何百冊か読み、賢治ゆかりの地を巡って、その体験をもとに作った。(自然農をやり始めたのはこの頃)