天元突破グレンラガン 総評

最後になにかやらかしてくれるのではないかと淡い期待を抱いていたんですが、王道的に終わってしまった。

王道だからかっこいいといえばかっこいいんですが、自分には何の感動をも与えませんでした。

追記・・・Cパート見逃してました(笑)
Cパートについては、ただ単純に終わりたくなかったからあんな感じにしたのか、それとも何か意味があるのか。その答えは視聴者の中に・・・ってか?
賛否両論のようですが、まぁ分からなくもない終わり方ですね。

  • 作画について

若手有望アニメーターや凄腕アニメーターが揃っていて作画に関してはパワー溢れるものになっていたけど、コンテ・演出は中堅でどこか一歩引いたところでやっていて統制がとれていないから最終回もそうだったけど、ちょっとごちゃごちゃしすぎていてアニメーションの気持ちよさがあまり感じられない。でも、ほぼ全話に渡って同じクオリティであったことは評価すべきでしょう。

  • 作品内容について

カミナというキャラが作品の全体を支配しており、カミナという男を否でも応でも押し付けられるものとなっているので、まずカミナを受け入れられるかどうかで好き嫌いが分かれるでしょう。
個人的にカミナは、自分があの世界にいるとすれば肯定できるけど(というかするしかない)、現実にいたらほぼ全否定。エピソードとしてはロシウが登場した5話とキタン特攻の25話、アニメーションとしては4話が良かったぐらいであとは特筆すべきものはない。4クールでやればもっと変わってきただろうに。

  • 全体総括

オタク的視点を入れるとこの作品は過去の作品を踏襲するような形になっていて、過去作品のいいとこ取りをした同人誌的作品という印象が強いです。細かいところで過去作品をパロってるだけならいいんですが、それを本筋に絡め作品の要としているところが解せないんですよね。
ただ原画陣が好きな事をやれて、それでいて人気が取れるものを作っただけで本気で凄いものを作ってやろうというような気概を感じなかった。

動物化という概念を東浩紀さんが定義しましたが、消費者をあるていど満足させつつコントロールするという技術がますます洗練され、それに踊らされる人々というのが誰が指摘するまでもなく目に見えるようになりました。
ギャグ、燃え、萌え、泣ける要素(人の死も含む)、予想だにしない急展開!等というのを効果的に組み合わせれば、たとえ描写が薄かったり、唐突、ご都合的であってもそれなりの人気を得ることができるでしょう。
もちろん、そういうのを作るのにも技がいりますが、経験を積んでいてある程度才能がある人ならば作れないという事もないはずで、この作品も感情をコントロールするという点では非常に上手い作り方をしています。
ハリウッド映画的といったらいいのでしょうか、まさにエンターテイメントの主流に沿ったようなものでしたが、ある種のロボットアニメの限界を露呈させており、なんだか閉塞感を感じてしまうところがありましたね。本当はそこを突破してもらいたかったのに。

ということで、単に中・高校生男子向き作品としては評価ができますが、それ以上でもそれ以下でもないというのが、今のところの僕の感想です。

ゲッターがどうのこうのというような細かい部分は2chアンチスレの住人さんの方々のほうがよく理解されてらっしゃるし、しっかりと作品を受け止めていらっしゃるので、作品への理解を深めたいという人は、アンチの意見を拝聴せよ。