緋色の記憶 (文春文庫)

緋色の記憶

1997年度MWA最優秀長編賞受賞作。
ちょっと最初は読み辛い部分が多くなかなか先に進めませんでしたが、ストーリーが進むにつれのめりこんでゆけました。この話はある老弁護士の回想で物語が語られていくのですが、その少年時代の感受性の豊かさが巧みに表現されていてミステリーというより純文学的でありました。壮大な仕掛けだとか、そういうのは全くなく退屈な面もありましたが読み終わった後にちょっと切なくなり、人生という物を考えさせる。そんなお話でした。

★★★☆