国会ウォッチ 2月25日衆議院予算委員会第五分科会 民主党・中林美恵子氏の質問「子ども手当の支給対象について」

○中林分科員

この子ども手当は、子供が日本にいなくても、あるいは自分の母国などに子供がいて、そして親が仕送りをするという形でももらえる、支給対象になるというふうな報道などもされておりますし、また、児童手当というものが既にそういう制度になっているので、その延長上としてはそれを継続せざるを得ないというようなことも聞いております。

この辺につきまして、実際に児童手当が既にそうなっているから子ども手当も今後そのような方向で法整備をしていくのかということについてひとつお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○長妻国務大臣

今御指摘をいただいた点でございますけれども、現在の児童手当については、今おっしゃられるように、外国籍の方、あるいは、お子さんが海外におられて、監護されているということがあれば支給をするということになっておりますけれども、これは、もう御存じのように、一九八一年、難民条約の加入に当たって、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の趣旨も踏まえて、一九八一年からそういうような体制をとったというふうに承知をしております。

ただ、平成二十三年度からは、我々、子ども手当の本格実施、全額実施ということを考え、法整備の検討も今後進めていくわけでありますので、特に諸外国の事例も参考にしながら、その点については一つの論点になると考えておりますので、今後議論を進めるということになると思います。

○中林分科員

ありがとうございます。こういった問題については、既に指摘が多く出ているような課題ではないかというふうに感じております。

私どもの地元の方々からもいろいろなお声をいただいている中に、書面で海外に子供がいらっしゃるということがわかれば、それでもう簡単に支給するという制度が実は抜け穴になっていて、外国の女性の方が、出産育児一時金、それから療養費、児童手当、定額給付金、失業保険で約二千七百六十万円をだまし取ったということで、既に詐欺の容疑がかけられているというニュースも二月十五日の新聞に掲載されているところでございます。

そうしますと、子ども手当は日本の将来を担ってくれる世代を社会全体で育てるという趣旨である部分が、ある意味、悪用される可能性もなきにしもあらずというところで、実際にこういった届け出するべきものの偽造などの事件も起こって、二月にはそれが容疑として既に新聞などで取り上げられているということもかんがみますと、やはり、平成二十三年度から考えるということと、そして、今年度の一年間の立法の措置では間に合わないということの間に、またかなりの意見なども出てくる可能性があると思いますので、そこのところを一点、二十三年度の方に待たなければならないのか。

そして、児童手当と子ども手当というものは別のものであるという考え方であるならば、新しくできる今年度の法律の中にもそれを多少加味して何らかの検討を加えることができる余地があるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。

○長妻国務大臣

中林委員におかれましては、アメリ連邦議会で働く経験もあり、今後とも、世界の状況なども御指導いただきたいと思っております。

一方で、その措置をしますと、日本人の方でお子さんが海外にいるという場合は支給が難しくなる。つまり、外国人とその国の方に差をつけるというのは基本的に社会保障の中では難しいとされておりますけれども、ただ、我々も今研究をしておりまして、海外も、いろいろな要件、いろいろな対応が、イギリス、スウェーデン、ドイツ、フランスでもいろいろ議論があったと思いますので、そういう事例も参考にしながら、この二十三年度の法案提出、本格実施に向けて一つの論点だと我々も認識しておりますので、誠意を持って取り組んでいきたいと思います。