永住外国人地方参政権に賛成?反対? TBSラジオ「アクセス」文字起こし Part.2

16日放送のTBSラジオ「アクセス」は永住外国人地方参政権がテーマ。藤井誠二さんは条件付賛成派、ゲストの宮台真司さんは条件付反対派でバトル。リスナーの意見を踏まえた議論を文字起こし。

  • 税金を払っているのだから、権利が認められるべきでは?

(宮台)

インフラ使用料として税金を取るのは、どこの国でも当たり前なんです。なので、参政権がなくても税金を払ってもらうというのは全く合理的なんです。ただ、どういうインフラをつくるべきなのかについて外国人から意見を聴取することは、参政権がなくても出来ます。

(藤井)

そこは宮台さんと同じで、税金だけでいったら定住外国人とかも同じになるわけで、=選挙権もとダイレクトにはならないと思います。あくまでも僕は社会に参加する手段としての参政権と捉えています。

(宮台)

僕に言わせると、自治体ごとに現状が違うので、国政が自治体の条例によっては参政権を認めても良いとするんだったら意味があるかもしれない。つまり、各自治体の各共同体の自己決定に任せますというのであれば、意味があるかもしれない。でも、それでも時期尚早だという感は否めません。

(渡辺)

どの辺りまできたら、時期が来たなと思いますか?

(宮台)

基本的には、一般永住の方の子どもが全員義務教育をちゃんと受けれて、そのプロセスでちゃんと日本語を習得できて、日本人との関係を持ち、日本人に対して偏見や負感情を持たない状態でちゃんとエスニックアイデンティティーを持ち続けることが出来るようになった段階。あるいは、逆に日本人が外国人と交わる事を通じて、彼らのことが分かっていったという段階で参政権の議論をすればいいと思います。

(藤井)

そういう状況になればいいと思うけど、そういう状況になるかな?

例えば、コリアン系の場合は5世ですよね。5世になったとしても、部分的には交じり合えているところもあるけど、基本的には日本のコミュニティと分かれてるわけですよ。色々な反発もあって、双方が溶け合うとは思えない。

(宮台)

先ほど言ったように、在日=強制連行ということを左翼が言いまくったから微妙な話になったんです。特別永住者と一般永住者を混同する事はできないと思う。

(藤井)

この時に一つ議論になるのは、国民とはなんぞやという話で、反対する方々は日本国籍保有するものと解釈するけれど、日本の国内の政治的決定に状況的に従わざるを得ない人々と解する方もいるし、これはずっと議論がされてきているんですよね。

(宮台)

ナショナリティというのは、国によって、時代によって捉え方が変わるので、元々非常に微妙な問題です。逆に、参政権を与える事によって国民になってしまうという面もあるので、実際、歴史的に言えばそういうことです。アメリカの場合、1960年代までは、黒人だって女性だって、ある意味国民じゃなかったんだよ。実際、そういう議論のされ方をしてるもん。参政権を与えられて初めて平等な国民になった。それまでは国民以下だったと一般には言われてますからね。

(藤井)

日本国籍を取るということ=であればいいんだけども、日本人になりなさい、同化しなさいという特徴が一つの問題であるということです。帰化という性質から国籍を取るということを取り出して、そこだけ変えていくようにするのも一つの方法だと思います。