新BSディベート「どうする日米同盟」 文字起こし Part.2(最終回)

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出演:岡本行夫孫崎享マイケル・グリーン、トバイアス・ハリス

  • これからの日米同盟

(司会)

鳩山総理大臣は、施政方針演説で「重層的な日米同盟に進化させていきたい」と述べましたが、今後の日米同盟をどうしていくべきかを伺いします。まず、ハリスさんはいかがでしょう

(ハリス)

日本は社会的な変化や人口の動態的な変化をする。アメリカはその点を認識して、日本に対する対応策を考えるべきであります。

鳩山政権が強調すべきことは、憲法というところから離れて、安全保障だけに注目するのでなく、日米同盟関係をより複合的に見るべきだと思います。

(グリーン)

包括的で重層的な関係であるべきだと思います。鳩山総理が仰るとおりです。我々は力を合わせなければなりません。

全ての人々を含めるようなアジアの取り決めが必要です。それによって、民衆的な規範、日米共通のものを普及させる必要があります。日米同盟がその基軸です。なぜかと言うと、地域の安定性を確保する事が必要だからです。ただし、何よりも重要なのは、日本政府側ではっきりと国益を述べて、国の戦略を推し進めることだと思います。鳩山政権は発足したばかりで、少し時間がかかるかもしれませんが、ビジョンの前に日本の考えを聞きたいと思います。

(孫崎)

日米ともに民主主義を守る。市場経済を発展させる。この目的は同じなんですね。
しかし、どういう形で貢献するかは、各々違うんです。自分たちの得意な分野で頑張る。そして全体を良くする。日本の場合は、経済的に頑張り、そして世界との関係を良くする。これ日米同盟だけでなく、世界に貢献することだと思っております。

(岡本)

孫崎さんの仰る事に基本的には賛成ですが、日米同盟は基本的に安全保障の関係ですから、中国が民主化し、彼らの軍事力のレベルが日本に脅威を与えない程度に低下しない限り、今の日米同盟の安保関係が同盟の中心であり続けるべきだと思います。