空中ブランコ 総評

全て同じ時間軸で起こっている出来事で、それぞれがどこかで繋がっていて、生きている限り誰かに何かしらの影響を及ぼしているという世界の構造が見えるようになっているところが良い。

原作もそうなのかもしれませんが、最終話で精神病にかかっていない普通の人を持ってきて、「普通の人が一番やっかい」という視座が良くて、決まった一つの論理で人間は動いているわけではないし、問題の所在は人それぞれという当たり前のことを認識させてくれる内容でした。

ただ、個々のエピソードを見ると、僕は原作の1作目だけは読んでいるんですが、原作の方が面白い。

伊良部の扱いが中途半端で、3つの姿の設定を効果的に使えていなかったように思うので、中村健治監督の当初の構想にあった、ファンタジックな感じでやったほうが良かったんじゃないのかなと僕は思いました。参照:http://www.cyzo.com/2009/11/post_3281.html