宮崎駿が語る 「アニメは終末期」

昨日のNEWS ZEROで村尾キャスターと対談しており、そこで宮崎監督はアニメは終末期だと語っておられました。

アニメーションというのはもう終末期だという気分が自分達にある。
現場の高齢化が進んでるし、勢いのあるいい新人が入ってくるかというと入ってこない。

バーチャルなものを見て育ってますから。絵を動かしていくというのは自分が体を使って経験した事が出てくるんです。バーチャルなものを幾ら見ても勉強にならない。火を描く時にアニメーションの火を見たって全然描けない。生まれて初めて裸火を見たというスタッフもいた。

耳と目だけじゃないんです。感触とか匂いが大事。絵を描くときに何かの匂いを思い出していたり、その時に自分が経験してきたものが突然戻ってきて"この道はあそこにあった木戸のところの裏道だ"と思い出しながら描くんです。それくらいのこと分かっているだろうではなくて、ある意味では「生活」から教える事を始めないといけない。

ジブリがここまで生き延びてきたのは全体とは逆の方向を選んできたから。だから自分達がマーケットを独占したいだとかという気持ちは全然無い。どちらかの方向に怒涛のごとく進んでくれたら楽なんです。僕らはその逆をやっていけばいいから。

どこかでそいういう気持ちを持っていないと今の過剰な消費の気まぐれにつきあうことはできない。つきあいたくないですよ。もっとちゃんとした仕事をしたい。ちゃんと受け止めてくれるお客さんに出会いたい。

自ら育てようとはせず、散々新人を潰してきておいて何を仰るかとも思うんですが、アニメーターも経験が大事だということはその通りで、いくら技術を学んでも経験がないと出せない味というのがあると思います。
前半部分を少し見逃してしまったんですが、他にデジタル化を憂いたり、世界はもうずいぶん前から手遅れな状態だとか、やたらじじくさい事を言っていました。