アニメ『惡の華』1話 キャラデザ、ロトスコ作画の効果など

思った以上にロトスコだった。これは実写でいいじゃんと言われても仕方ない面があるし、アニメーターは辛いんじゃないかとか、見た目面で視聴者が離れるという意味では損してしまってるのではないかと思うけど、このキャラデザ、ロトスコ作画は内容とマッチしている。

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キャラデザについては、キャラクター性を大きく排除していて、遠方の人物などはのっぺらぼうになっている。これは作画リソースの問題の可能性もありますが、恐らく意図的で、人物の風景化による閉塞感の強調と、その中で主要人物がはっきりと対象化され印象づけられる。また、視聴者が自分自身も含め、現実の人間を当てはめやすいようになっていて、より生々しさを感じる効果を生んでいる。これが個性が強いアニメ絵、もっと言えば実写でも役者によって、他者性が強くなり客観的に見てしまいますが、これはそうではないので、よりクリティカルに自身の心象が反映される。


ロトスコ作画については、リアルなんだけどなんか違和感がある動きで、一つ一つの動作が際立ち、実写以上に人間の生々しさが出ています。

好みど真ん中な作風なのですが、監督の『綺麗なアニメ絵だとパーソナルな部分に訴えかけれない』的な発言は気になって、これはエヴァなど見てもそんなことはないのは明らかであり、ロトスコでなくても写実的な動きは表現できるはずで、アニメ監督としてこういうことを言うのはどうなんだろうというのはあります。といっても、リアル系作画が出来る人は少ないだろうので、ロトスコ使うのも仕方がないのかなと。そもそも、なんで制作がゼクシズなのか。