『 ATARU 』総評

全体としては楽しめたのですが、謎解きの部分は少々ご都合主義的ではあるし、真実を追求することに伴う痛みや、障がい・病気の捉え方に関する提起はあったものの、当初、櫻井武晴さん脚本ということで期待したずっしりとくるような内容ではなく、少々物足りないものがありました。

PがSPECやってる関連でSPECの小ネタやリンクしたような内容があるのはまあいいんですが、メイン演出がTRICKをやっていた木村ひさしさんであるものの、演出面でも堤幸彦監督を真似たような感じにしなくてもよかったのでは。キャラの濃さと小ネタは回によって煩いと感じるところもあったけど、全体としてはだれるのと重くなりすぎるのを回避する効果はあった。ただ、最終回の感動のシーンにタモリさんを投入するのは首をひねる趣向。

演出に絡めてちょっと気になったのは、この作品は障がいを面白可笑しく見せている面があり、その辺当事者の方なんかはどう感じられるのかなということ。内容としては、障害当事者(厳密には障害者に限らず)の周りの人がきちんとその障害のこと(困っていること)を理解し、かといってカテゴライズせずその人個人の個性と向き合いサポートしていく必要があるという全うなメッセージが込められたものなのですが、少々内容と演出に齟齬がある感じもありました。

障害問題に絡めて『困ってるズ!』を宣伝して〆

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