高速無料化の効果と課題 WBS文字起こし
関連記事:http://www3.nhk.or.jp/news/k10015399461000.html
社会実験が行なわれる区間を全部あわせると、全長で1626kmで、全高速道路の5分の1にあたる。
山崎養世氏の話
無料の区間を広げれば広げるほど大きな経済効果が起きる。大都市以外の高速を無料にすれば15兆円の経済効果があるんです。
無料になると同時に地域開発、特にSAやPAの土地を自治体に今後払い下げるべきだと思うんです。そして、自治体主導、地域主導で地域の開発をしていく。
(アクアラインの値下げで人口増加した木更津市を例に、無料化の効果を語る)物流だったり、ショッピングだったり、介護施設や病院をつくっていくとすると、それによる効果はきわめて大きい。地域がちゃんと街を形成されて、高速道路から0分の街が出来てくるわけです。
埼玉県富士見市と川越市を結ぶバイパス道路の周辺では投資が進みつつある。
普通車で200円徴収されていたこの道路は、昨年8月に全区間が無料開放された。これに伴い、周辺地域では新たな効果が生まれている。
埼玉県住宅相談センター・後藤智郎店長の話
法人の方がこのロードサイドに倉庫や工場がつくれるかというお話を頂きます。ロードサイドに関しては、市や個人的な地権者の方々、商売をされる方々にメリットがあると思います。
また、無料化となったことで大手デベロッパーがこのエリアに巨大商業施設を建設する計画を水面下で進めている。
富士通総研経済研究所 上席主任研究員・米山秀隆氏の話
(小谷)
山崎さんが、無料化することとで投資や開発を促すと仰っていたんですけども、経済効果というのは物流のみに留まらないということでよろしいんでしょうか?
(米山)
地方の高速道路は料金がネックになっていて、折角建設されたにも関わらず、使われていない部分がありましたので無料になれば、物流が活性化するという効果があります。
それだけに留まらせておくのは非常に勿体無いので、人を呼び込む効果を利用して、そこに色んな施設をつくることによって活性化の手がかりにしていくというのは可能なわけです。ただ、土地を利用するための色んな規制があった場合には、それがネックになって活性化の効果が十分発揮されないことが考えられますので、その辺のところをどう考えるかが課題の一つでもあります。
(小谷)
自治体の範囲なのか、国の範囲なのか微妙なところがありますが、場合によっては国が緩和していかなければいけないことが出てきますよね。
(米山)
活性化ということを強調していますので、その辺のところをより進めていって欲しいですね。
(小谷)
道路を巡る財政負担についてですけど、無料化された分は税負担が増えるということでしょうか?
(米山)
そうですね。それは致し方ないと思います。無料化によって、それ以上の経済効果が生み出されるのであればいいんですが、そうじゃない場合は負担だけ増すということになるので、その辺のところは今後の取り組み次第という感じですね。
(フェルドマン)
無料化によって、被害を受けるところからの税収減というのはどうですか?
(米山)
無料化によって、他のところの物流が寂れてしまうところがあります。そういった人たちに関しては、業態を転換するですとか、違った部分に進出していくように補助をしていく必要があるかもしれません。フェリー会社とかバス会社など打撃を受けているところは現にあるわけですけども。
(小谷)
維持管理費についてはどうでしょう?
(米山)
維持管理費をどう賄うかは二つ考え方がありまして、完全無料にした場合は税金で賄うしかありませんが、せめてメンテナンスの部分は徴収しようという考え方もあります。
0か1かというよりも、混雑しやすいところは高めに取るとか、活性化を重視するなら地方は無料にするというように、弾力的に料金設定をして、メリットとデメリットを上手くバランスするような形で料金体系をつくっていくのが現実的だと考えます。